第1章 Episode:01
家族と居ても、学校に居ても、一人で歩いてても、常に緊張していた心が今はすごくリラックスしてるのが分かる。
また涙が出そうになったけど、そこはぐっと堪えて。
今なら言える気がした。
自分の、心からの言葉を。
「っあの、よかったら……今度、一緒にお店、に来ませんか…?」
か細い上にひどく小さくて頼りない声だったけど、野薔薇ちゃんはちゃんと聞き逃さないでいてくれて。
「もちろん。このお店だけじゃなくて、色々なとこ遊び行こ!ウチ、同級生男しかいないからさぁ。女の子の友達欲しかったの」
LINE教えて、と言って、笑ってくれた。
太陽は沈んでしまったはずなのに、何でだろう。
目の前が妙に明るく思えて。
初めて、世界がキラキラ輝いて見えた。
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