• テキストサイズ

*Pinkie*-呪術・釘崎野薔薇・GL-

第1章 Episode:01


 
店に着いたのは、すっかり街灯に明かりが灯った頃だった。

この通りには雑貨屋さんの他にも、若者が集まるような店が沢山立ち並んでるから、夜になると一気に賑やかになる。


ギラギラ、ギラギラ。


濃い色とりどりの光に、耳に響く沢山の笑い声。

私が一番苦手な空気だ。

普段の私なら、夜になった街に出ようなんて思ってもみなかっただろう。


何故なら。



「あれ~女子高生がこんなとこで何してんのかな~?それとも中学生?」



わざとらしい猫なで声と一緒に、肩にずしりと何かが乗ったような感触。

浅黒く、太い男の腕だった。

気が付いた時にはもう、数人の男達に囲まれていて。

嫌な笑みを浮かべた無数の目が、品定めするように私を眺めている。

堪らず俯くと、今度は色々な形の靴の爪先が前髪の隙間から見えた。



「駄目だよ。JKがこんなとこにいたら」

「それとも援交?あ、今ではパパ活っていうんだっけ?」



他方向から上がる馬鹿にしているような笑い声に、もはや私の身体は硬直しきっていて。

足が縫い付けられたように動かず、喉もカラカラに渇いてしまって声さえ出ない。


/ 99ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp