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【イケメン戦国】白衣の戦姫

第14章 姫さん、特訓する


「えー……」

「そうかそんなに俺に教わるのが嬉しいか」

「光秀どの、起きてますか」

「誰が寝ぼけていると?」



秀吉に呼ばれて朝からなんだと思っていたら、華音の教養体術馬術云々の指導役が光秀になったと言われた。
自薦か他薦かは問題ではない。
問題なのは華音の先生が光秀であることだ。



「安心しろ。手取り足取り優しく教えてやる」

「首も取られそう」

「俺をなんだと思っているんだ」



やって来たのは道場。
周りに物は置いてなく、光秀も華音も武器を持たない状態で向かい合う。
色んな意味で危険なため、華音は常備している薬や道具などを懐から出しておく。



「まずはお前がどの程度やれるのか見せてもらう。どこからでもいい。全力でかかって来い」

「…はい。よろしくお願いします」



華音は光秀に一礼し、ひとつ深呼吸をしてまっすぐ前を見据える。

ヒュウ、と風の音が聞こえた瞬間に光秀との間合いを一気に詰めた。









「華音様ー、大丈夫?」

「様子を伺いに来ました」

「華音ーやってるかー?」

「蘭丸くん、三成くん、政宗どの……おつかれさまです」

「お前の方が疲れてるぞ」



華音はいつも余裕を持って行動しているため、今のように満身創痍の状態は珍しい。
道場の外の縁側に背をつけ、額に濡れた手拭いを乗せて寝そべっていた。
はしたないはずなのに下品な感じがしないのが華音の恐ろしいところである。
やって来たのは差し入れの饅頭を持った政宗と、湯呑みと茶葉を持った蘭丸と三成。



「お疲れ様。華音様がそこまで疲れてるの初めて見たよ」

「…体力使い果たすの…久しぶりだったから…」

「お疲れと思い茶葉を持って来ました。今お淹れしますね」

「はいはーい俺が淹れたげる! 三成様はお手伝い役ね」

「…ありがとう」



華音はむくりと起き上がり、ぬるくなった手拭いを水桶に入れてしぼり直した。
実は先程まで、華音はほぼ半裸の状態で汗を拭っていてタイミングが悪かったら大変なことになっていた。
そうなっていたら政宗達の反応はどうだったのかあまり考えたくないので、そのことは墓場まで持っていくことにした。
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