• テキストサイズ

【イケメン戦国】白衣の戦姫

第26章 姫さんと狐の仲間探し


敵へ協力を仰いででも主君を守りたいという幸村を見て、華音は改めて武田信玄の人間性を垣間見た。



「……すごい方なんだな、信玄公は」



思わずぽつりとこぼれた言葉に、すかさず佐助が反応した。



「俺の主君もなかなかの切れ者ですので、どうぞよろしく」

「なに張り合ってんだ」

「佐助くんがそういうなら、謙信公も優れた御仁なんだろう」

「ああ、とても立派な人だ。しいて難点を上げるなら、突然斬りかかってくることくらいだ」

「玉に瑕って次元じゃないな」

「慣れってこえーな」



少なからずその難点に影響してるであろう人が、彼の師匠である継国陽臣だ。
華音は継国家を代表して謝りたくなったが、きりがない気がしたのでまた今度にしようと思った。








二人が去って、華音と光秀、九兵衛が一夜を過ごす前に、先に華音が口を開いた。



「光秀どの、私に何か言いたいことでもあるのですか」

「……いや、特にはない」

「嘘ですね。言ってください」

「言わない、と言ったら?」

「貴方と同じ布団で寝ます」

「わかった、言う」



恋仲となった男女が同じ布団の上にいるとき、何をするか相場は決まっているが、如何せん今は状況が悪い。
光秀は病み上がりで、将軍を討つという目的がある。
それを果たすまでは華音を抱かないと決めている。
ゆえに、今の状況で華音が己と同じ布団にいるのは、生殺しにもほどがある。
それ以前に、手を出そうにも華音がそうはさせないだろう。

そんな感じで、しぶしぶ光秀は口を開いた。



「……お前を、此度の戦いに巻き込んだことを、少し後悔している」

「………!」



珍しく言いよどんでいた光秀の口から明かされた本音に、華音はわずかに目を見開いた。



「…華音、戦の時は、お前は最前線に出ないと約束してくれ」



光秀は、決して華音を弱者だと思っているわけではない。
むしろ、武力的な意味では今まで見た女の中ではトップクラスに強いと思っているし、その気になれば男一人ぶちのめすこともできるだろう。
だからこそ心配なのだ。
華音が、危険を承知で飛び込んでくる気がして。
/ 252ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp