第2章 入団
『黒の教団って本当にこんな所にあったんだ……』
とても高い崖の上にある大きな建物を見上げる。ただでさえ暗く重い雰囲気なのに、周りに飛んでいるコウモリのような黒い物体のせいでもっと怖く見える。
(この崖を登らないといけないの……?)
とても人が登れるような高さではないそれを見て、思わずため息をついてしまう。他に登る道はないのだろうかと辺りを見回していると、道の代わりに近くに川らしきものを見つけた。
『(この川の水さえあれば大丈夫、かな?)……よし!』
私の力は水を操れることだ。だから水があれば上に登れる即席エレベーターを作ることも出来る。
『発動』
即席エレベーターで上に登ると下から見た時よりもずっと高い、大きな建物があった。周りには、崖の下よりもずっと沢山の黒い物体が飛んでいて、より一層不気味さが増している。