第1章 理想のペアと藍羽ルイと眞宮孝明
「正解、藍羽くんの思っている通りだ。相手のお口にケーキをあーんだ。それから審査員の視聴者のみなさんの投票で料理対決の結果を決める」
「「!!」」
台本に書いていなかった眞宮のアドリブの言葉に再び固まる理想のペアです。お互いの顔を見て頬に汗を流します。
しかし、ここで嫌と断ることが出来ない丸井と木手はケーキを1口分フォークに刺しました。
眞宮とルイはスムーズにケーキを相手の口にあーんと入れ終えます。
丸井と木手は冷静な表情をしていたものの、頬に汗を流し、緊張しながら相手にあーんと口にケーキを入れていました。
丸井は何とか笑顔で木手にケーキを食べさせることが出来ましたが、木手の方は引きつった笑顔で丸井の口にケーキを運んでいたのでした。ケーキをぱくっと丸井が食べるとき、ケーキがぽろっと下に落ち、フォークの先がそのまま丸井の下唇のところに少し刺さってしまいました。
「いてっ」
「すみません」
木手はもう一度、1口分フォークにケーキを刺し、今度は丸井の口の中にあーんと運ぶことに成功します。
「うめ~」
と、甘いものが好きな丸井は幸せそうにケーキを食べていました。