第1章 両面宿儺
そう聞けば、虎杖はポッケをゴソゴソし指を取り出し…
虎「なんだ全員助かる方法あんじゃん、用は俺に呪力あればいいんだろ」
伏・あ「「あっ!!??」」
ゴックン
阻止する暇もなく、指を飲み込んだ虎杖
と、同時に
あ「……っ…!」
急に体の奥が震える様な、熱に浮かされる感覚になり耳鳴りがし始める
その後の奥に、聞いたことのない言葉が木霊する
オオォオオォォオオオオオッ!!
ハッと目を向けると先程までいた呪いがバラバラになっていた
その前にいるのは虎杖なのだが…
《ケヒッ…ヒヒヒヒ…あぁやはり!!光は生で感じるに限るな!》
月明かりに照らされて浮かび上がる虎杖の体には、黒い線が浮かび上がっており、赤い目が“四つ”ギョロリと動いた
《いい時代になったのだな、女も子供もウジの様に湧いている…素晴らしい!!鏖殺だ…ん?》
ゲラゲラと笑っていたかと思ったら、こちらを見るなりフッと姿を消した
あ「え………ひゃあ!?」
いきなり腰をぐいと持ち上げられ、目の前には虎杖の顔が、目があやめを移していた
すると突然、首筋にぬるりとした感触が…
あ「っ!!??」
《ほぅ……これは中々、ククク…お前名は?》
腰の手はそのままで、顎を掴むとあやめの顔にこれでもかと近づいて問う虎杖
あ「あ……あやめ…」
《あやめ、か……お前、俺の女になれ》
固まるあやめにゆっくりと唇が重なりそうになると思ったら
虎「おい、あやめから離れろ」
《キサマ…何故動ける…?》
虎「いや…俺の体だし、つか返せよ」
ガシッと虎杖自身の手で自分の顎を引くと、そのまま体ごと離れる
側から見ると、1人で2役でもやってるかのような光景だ
伏「動くな、虎杖悠仁…お前を呪術規定に基づき呪いとして、祓う(殺す)」
虎「いや、なんともねーよ?それより俺も伏黒もボロボロだし…あ、あやめ平気か?」
あ「へ……あ、うん大丈夫、ちょっとびっくりしただけ」
よく見ると黒い線が綺麗に無くなっている
あやめはなんとなく“さっきのヒト”がいなくなったのを直感で理解した
しかし、伏黒は
伏(今喋ってるのがどっちかなんてこっちは分かんねーんだよ…っ!くそ…どうしたらいい!?」
「今どういう状況?」