第1章 両面宿儺
伏「とにかく、人死にが出ないうちに渡せ」
虎「いや、だからさ俺は別にいいんだって」
パシッ
投げ渡された木箱を開けるが…
伏(空……だと!?
じゃあ、俺が追ってきたのは箱にこびり付いた残穢…!?)
伏「おいっ!!中身は!?」
焦る伏黒に最悪の言葉が返ってきた
虎「先輩が持ってるんだって!あ、そういや今日の夜学校で開けるって言ってたな…って、あれ?ヤバイ?」
伏「……ヤバイなんてもんじゃない
ソイツ
死ぬぞ」
.
.
.
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佐「取れないわね〜」
カリカリと紙の端を剥がす先輩達とあやめ
あ「中身はなんですかね?怖いものじゃなければいいんですけど…」
井「まぁ、何も起こらないさ」
カサ…
佐「あ、取れた取れた!中身は………うっわ!!」
のけぞる先輩の手を見ると、人間の指によく似た赤黒いモノだった
なんとも言えない空気がゾクリと背中を撫でる
「「「………っ」」」
三人が言葉を発せずにいるとーーーーー
虎「なん、だよ…この圧は…!!」
学校に着いた虎杖達は、校舎から漂う禍々しい空気に冷や汗が流れていた
伏「お前はここにいろ」
虎「!!
ま、待てよ!俺も…っ」
伏「ここにいろ」
ギロリとに睨むと伏黒は1人校舎へ入った行った
ぺたっ
ぺたっ
《いま なンじですかぁ》
《みじかイ はりはぁあアア…》
あ(な、な、なに…あの化け物…!!)
ガタガタと震えながら声を殺して異様な化け物が通り過ぎるのを待つあやめ
井「ひ……ひな、が、き…」
バッと後ろを向くと井口先輩が立っていたが、顔半分が化け物に喰われていた
あ「きゃああああああ!!!」
部室に向かっていた伏黒だったが、とうに部室から出て行ったあやめの悲鳴を聞き元来た道を戻るが、あちこちから呪い達が湧き出てキリがない廊下を走り
伏「邪魔だ!…玉犬」
パシッと手を組むと、影から二匹の犬が出てきた
そのまま呪いの数が多くなる方へと進むとーーー
伏「見つけた!!」
伏黒の目線の先に一際大きな呪いが先輩2人を飲み込もうとしていた
もちろん先程悲鳴をあげていたあやめも一緒に
ニヤァと不気味な笑みを浮かべズブズブと三人を取り込もうとする