第11章 V・O・W 国見
「俺、ビールで。歩は?」
「モナコ!」
「モナコって何?」
「フランスに留学してた時によく飲んでたの!どこの店にもあったよ、ビールをレモネードで割ってグレナデンシロップを入れるんだったかな」
「へー」
なんか思い出した
昔からこーゆーとこが好きだった
自慢するでもなく嫌味でもなく、色んな知識を俺に与えてくれる人
そんな君にこんなことをするのは
きっと許されない
俺は地獄に堕ちる
彼女がトイレに立った隙に、サラサラと白い粉をカクテルに混ぜた
「そう言えばさ、及川さん凄いよね!改めて私たち凄い人と同じチームだったんだね!」
「うん、まさかアルゼンチンに帰化とは…しかもブラジル遠征中に烏野の10番、日向とビーチバレーしてる写真送られてきたしね」
「まじ?見せて見せて!」
スマホを取り出して、当時の写真を表示させる
そしてそれより更に遡り
卒業式の日、証書を手に2人で撮った写真
「歩、覚えてる?」
「国見くん…」
まだ俺たちが付き合ってた時の写真
それを見てるうちに彼女の瞼がスッと閉じられた
「…ん…ここ…」
ベッドの上で彼女が目覚める
裸で
「ここ俺んち。やっと起きた?寝てる間にヤってもよかったんだけど、それじゃつまんないし」
「…くに…みく…何言って…」
「俺、歩の鳴く声好きだったんだよね」
そう言いながらギシッとベッドに乗り、ネクタイを緩めながらゆっくりと彼女を押し倒す
「やっ…やめ…」
歩はキュッと目を閉じ、胸元を両手で隠す
その手をどけながらベッドに組み敷き指を絡ませると、右指にダイヤの指輪の感触が伝わり、胸にズキンと鈍い痛みが走る
掻き消すように唇を重ねる
クチュ
「やっ…国…みく」
抵抗しようと開かれた口に無理矢理舌を捩じ入れ、吸い上げる
チュル…クチュ…チュパ
口の中で逃げ回る彼女の舌を捉えて離さない
彼女は首を左右に振って口付けから逃れようとする
「やだっ…離し…」
「離さない」
男の力で押さえつけ、首筋から胸の膨らみに向かってツーッと舌でなぞると歩の身体がピクンと反応する
そのまま膨らみの頂を口に含んで舌に絡ませる
「アッ…や…国…み」
ああ…
この声…
たまんない