第5章 touch 宮侑
え?
あ、俺泣いてたん?
かっこ悪
でもかっこ悪いついでに
今なら言えるかも
「何でって…お前ええ加減気づけや!俺は初めてお前に会うた時からずっと好きやった。おばさんが言うように婿養子行ったろ思ってたんや!それを急に北さんと付き合うてるて何やねん!この鈍感尻軽女!」
俺は歩を押さえつけて、喚き散らした
そしたら…
「遅いねん…」
いつもの歩やないみたい迫力ある声
切長の大きい目で俺を睨みつけてくる
「鈍感尻軽男はこっちのセリフや!あんたばっかり好きやったみたいに言うてくるけど、こっちやってずっとずっと侑のこと好きやったわアホ!ほやのに気づきもせんと他の女に尻尾振ってヤリまくっとったんどこの誰やねん!」
え?
分からん分からん
今何が起きてるん?
「あんたのことそれでも好きで傷ついて、そん時に北先輩が付き合おうて、私が侑のこと好きでもええからって言うてくれて…そやのに…こんな…自分が情けないわ!」
え…北さん…
俺はなんちゅうことを…
俺が初恋こじらせたせいで…
歩にも謝っても謝りきれん
俺は歩から飛び退いて土下座する
「ほんまに…ごめんなさい」
歩はコロンと寝返りをうってうつ伏せになって、俺を睨みつけてくる
「許さへん。
でも私も最悪やわ…こんなことされても、侑に触れられて嬉しくて、やっぱ侑が好きなんやて思い知らされて…」
「え…もっかい言うて」
「はぁ?」
「俺のこと…す
「好きとちゃうわ!侑なんか大嫌いや!!!」
ーend