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short PARADOXXX(ハイキュー)

第25章 reward 赤葦


リーダーシップがあって、明るくてムードメーカーでバリバリ仕事出来て…でも決して完全無欠じゃない…

そんなところがつい木兎さんと重なって、笑みが溢れる

「フフッ」

「あー、バカにしたでしょ」

「してませんって」

「リーダーがこんなデジタルオンチおばさんでガッカリしてない?」

「…むしろ逆です」

「え?」

「可愛いなって思いましたよ」


顔を近づけてそう言うと、いつも余裕な大人の表情の彼女の頬がカアッと紅くなる

「ちょっ、もうからかわないでよ」

まるで少女のような反応が可愛くて、このままキスしたい衝動に駆られた

でも…

今の俺じゃ彼女に釣り合わない

結果を出して、早く一人前の編集にならなければ


「さ、直りましたよ」

そう言いながらパソコンの起動画面を彼女に見せる


「すごい!赤葦くんありがとう!どうやったの?」

「多分説明しても分からないと思います」

「あ、またバカにした!」

「違いますよ、またおかしくなったら俺を呼んでください」


「うん…そうする」





それから数ヶ月が経ち、宇内先生のバレーボール漫画は巻頭カラーで華々しく連載を開始した

人気投票も鰻登りで、既にアニメ化の話も出ており、その年の漫画賞を受賞するまでに至った



そして、今夜はその受賞記念パーティーの日

パーティでは、受賞作家のスピーチがあるのだが、現在壇上にはガチガチに緊張した宇内先生が立っている

心配して見守っていたが、まもなくそれは杞憂に変わった

宇内先生はフーッと息を吐くと、受賞の喜びと感謝の言葉を述べ、それから

「一つのことを続けられること、そして結果夢を叶えられたなら、それは素晴らしいことだと思います。でも…時には諦めることも肝心で、諦めることって別にネガティヴな側面だけじゃないと思うんです。大事なのは、そこから次に何をするか、どう動くかだと思います。一つの道で挫折してしまっても、なにものにもなれなくても、そこで人は何一つ終わらない、また別のやりたいことを探せば良い。そういうことを子供達に伝えられるような作品にしていきたいと思います」

と続けた
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