第5章 NY
ある年の
11月も半ばを過ぎた頃
ビル○ード1位に輝いたばかりの新曲を引っ提げて、アンナは来日した
ライブ活動の合間に
各局の音楽番組や情報番組への出演
雑誌の取材と
毎日予定が忙しく、今回は中々ゆっくり会う事が叶わなかった
そんな中
彼女がアメリカへと帰国する前日に、音楽番組の企画で
かつての歌謡祭の再現とも言える " Rev. " と " 東條 アンナ " のセッションが実現した
立ち位置の確認だけで
歌合わせをしない
アンナの変わらないスタイルに、僕は胸が高鳴った
夏生と健人も
きっと、同じ気持ちだったと思う
収録ではあったけれど
一発本番に賭ける想いは同じだった