第3章 バレンタイン※爆豪勝己の場合※
バレンタイン
それは誰しもがいろんな期待をせざるを得ない、そんなイベントの一つである。
また彼もその一人。
二月頭
戦場は麗日や八百万など、教壇付近で女子チームで固まって話し込んでいる。
どうやらバレンタインのことで盛り上がっているようだ。
周りにそれとなく座ったりたむろをしている男性陣もまるで”全集中”と言わんばかりに耳を大きく立てながら、どんな内容なのか探っているようだ。
戦場の彼氏である爆豪勝己はどうにか悟られまいと自分の席で寝たふりを決め込んでいるが、時折もぞもぞと動くので完全に周りの男性陣と一緒の類だった。
耳郎「え、じゃあヤオモモは誰にあげんの?」
八百万「そうですわね…いつもお世話になっている方にはお配りしようと思っているのですが」
芦戸「えー!そういうんじゃなくて本命はってことだよう」
八百万「そそそれはトップシークレットですわ!」
男性陣一部を除く
(((もしかしてオレ!?)))
麗日「戦場ちゃんはもちろん爆豪くんにだよね?彼氏がいるっていいなぁ」
「え?勝己にはあげないよ?」
男性陣一部含む
(((あげねーのかよ)))
そうやって盛り上がっているうちに次のチャイムが鳴りだした。
それを聞くと女性陣は各々の席へと戻っていく。
爆豪(なんだと…あのクソアマ俺にチョコを寄越さんつもりなのか?いや、そうやって言って実は作ってましたのパターンだろ分かりやすすぎんだよボケが。まぁいい俺からは何も言うまい。催促してるみてぇでクソダセぇし)
そんなことを思いながら爆豪はもぞりと上体を起こして授業の準備を始めた。