第8章 力試し
「塩次郎?」
「貴様みたいな自惚れた自信家のことや
よう覚えとき
領域展開…伊賀専(いがたうめ)」
真っ暗で何も無い空間にポツリと社と鳥居が浮かぶ
「これが天狐の領域か…
まるで宿儺の領域とそっくりだね」
「あやつは妾の可愛い弟
1から9までは手取り足取り妾がみっちり仕込んだものでな
少々似ただけにすぎん」
ゆっくりと五条に歩み寄る
「この領域に誘い込まれたが最期
いくら貴様でも歩けやしまい
跪け」
五条は膝から落ちあての前に跪いた
「妾を許可なく見下すな
おいたがすぎるで、小僧」
白い柔肌の首に手をかける
「格上には敬意を
昔っからの常識やで
妾はこのまま指に力を入れるだけで
こんな細っこい首、簡単に吹き飛んでしまうなあ」
顔をぐっと近づけ睨みつける
「まだ頭と体は仲良くしときたいやろ?」
「そうだね
僕にはまだやり残したことがあるんだ
こんな所で死んじゃいられないね」
五条はへらっと笑う
いつ殺されてもおかしないこの状況でまだ笑えるか
とんだサイコパスやな
この五条という輩
「帰っておいで、ひおりちゃん」
『はい 』
「っち…このタイミングで逃げ…」
天狐の声はそこで途切れ領域が解除された