第8章 力試し
ーひおりsideー
前略、父上母上
ひおりは封印から目が覚めると
見ず知らずの女の人に服をひん剥かれてしまいました…
「私もうお嫁に行けない…」
家の者ですら見せたことなかった
一糸まとわぬ姿を女の人とは言え見られたことが恥ずかしく
もたもたと着物を直した
「そんなにショックを受けなくても
僕がちゃんと僕が貰ってあげるってば」
その言葉と同時に後ろから誰かに抱きしめられた
驚いてしっぽの毛が逆立つ
「天狐のものだろうけど
耳もしっぽも可愛いね」
「五条さん!」
私の記憶と何ら変わらない
目隠しをつけている五条さんが立っていた
「おかえり、ひおりちゃん」
「はい!
ただいま戻りました!」
五条さんとまた会えて
自分が帰ってこれたのだと強く実感する
「やっと来たか五条」
目の下にくまを作っている女の人が
カルテらしき物を五条さんに手渡す
「体をくまなく診たけど
特に異常はない
ただ…天狐の影響か
見た通りの耳としっぽがある
神経も通ってるし本人で動かすこともできるみたい」
「了解、上にもそう伝えとく」
そう…困ったことに
天狐のせいで私の体は人間を辞めてしまったようだ
特に身体能力がぐっと上がってしまい
慣れるのにしばらく時間がかかりそうだ
「ひおりちゃん
疲れている所悪いけどついてきてくれる?」