第7章 そして動き出す
「あ…あー…
貴様ら…良くも乙女の柔肌に
大穴を開けてくれよったな」
女は威圧的な声で喋る
知っている
…俺はこの声を知っている
次々に女を磔ていた杭が抜け落ちていく
落ちる度に呪術師達がざわつくが
俺の耳には全く入ってこない
1200年前別れたあいつが今俺の前にいるのだ
そして最後の1本が音を立てて落ちる
呪力の波が波動となって
俺以外の呪術師達が壁際に押し寄せられた
女は裸足のまま俺の前へと歩み寄ってくる
「宿儺…お久しゅう」
先程とは違った優しい声色
柔らかな指先でそっと俺の頬を撫でる
「遅すぎるぞ…天狐
待ちくたびれたではないか」
「堪忍なぁ
これでも大急ぎやってんで」
天狐の頬に一筋の涙が零れた
幾分と小さくなった体を優しくそっと抱き寄せた
あの頃と変わっていない髪に指を通す
するとガクッと天狐の体から力が抜ける
「天狐!?」
「ん…?
あなた…誰…?」
先程までの赤い目と違い
紫色の瞳がこちらを見る
「宿儺…ちょーのりすぎ
早く悠二と変わらないと祓うぞ?」
後ろには厄介な五条が立っていた
今は面倒事を起こしてもしかたない
俺は大人しく小僧に主導権を返した