第6章 そして静かに眠る
ー五条sideー
封印に使うのは8本の杭
手足の先
太もも
喉
そして心臓
肉が引き裂かれ骨が砕ける音がする
とは言っても体の主導権は天狐にある
ひおりちゃんに痛みは感じない
まだ子供の体に
これほど酷い事をするのは気が引けた
でもひおりちゃんが腹を括って決めた事だ
僕は躊躇いもなく一瞬で終わらせるのも
せめてもの救いだと考えた
天狐は無事封印された
ひおりちゃんのおかげで…
封印が終わり安堵の息を漏らす者は
既に部屋には居ない
終わった途端に逃げるように部屋から出ていった
天狐を取り込んだ影響か
髪の色が変わり綺麗な白髪(はくはつ)になっていた
「僕とお揃いになっちゃったね」
綺麗に手入れされた髪に指を通す
「ひおりちゃん…
僕はいつまでも待ってるよ」
そう言って僕はひおりちゃんの
傍から離れない式神を残し
静かになった封印の間を後にした