第5章 いい所…?
大粒の涙がボロボロと溢れ出るのを
私は止めることが出来なかった
「すみません
私…すごく…すごく嬉しいです」
指で涙を拭っていると
七海さんがハンカチ取り出して拭いてくれる
「狐頭さん
私も…と言ってもつまらないものですが」
どこから取り出したのか
大きなピンクの薔薇の花束を手渡してくれた
「七海さん…」
止まりかけていた涙がまた溢れる
「すみません
泣かせるつもりはなかったのですが
昨日五条さんと話していて
今日は元々貴方の誕生日をお祝いする予定でした」
「まあ朝から僕に急に仕事が入るとは思ってなかったけどね」
五条さんも七海さんの横にしゃがみ
花束を持っていない私の手を優しく握る
「ひおりちゃん
お誕生日おめでとう
こうした形だったけど
君にあえて嬉しいよ」
五条さんはそう言って手の甲に優しくキスをした
おとぎ話の王子様のような仕草に
自分でも体温が上がるのがわかる
「私も貴方に会えてこうして
お誕生日を祝わせていただきありがとうございます」
七海さんはそう言って優しく微笑んでくれる
「私こそ…何もお返しできないのに…
たくさんありがとうございます…」
暖かい言葉にまた涙が零れる
2人に出会えて短い時間だったけど
出会えてよかったと心から思う
「喜んで貰えたみたいでよかった
この花畑は僕の気持ち
忘れないでね」
五条さんの気持ち…?