第3章 数日の青春
「ひおりちゃん」
五条さんはしゃがみこみ目線を合わせてくれる
「五条さん…」
「どーしたの」
五条はこてんと首を傾げながらこちらを見てくる
目は見えていないはずなのに
何故か全て見透かされているようだ
「なんでもないですよ
いちごが美味しくて…」
五条さんが私の頬を指で撫でる
「クリームついてたよ」
「っ…すみません」
これじゃまるで子供じゃないか
思わず顔が赤くなる
「そういう所、可愛いね」
言われ慣れない言葉にさらに顔が赤くなった
「可愛くないです
子供扱いをしないで頂けますか」
そっぽを向き別のスイーツを取りに行こうとすると
人にぶつかりそうになってしまった
「危ないっ」
手を強く引かれ私は五条さんの腕に
思わず飛び込んでしまった
ふわっと優しい匂いがする
物心つく前から感じることのなかった人の体温に
心臓がバクバクと鳴るのがわかる
「もー気をつけてね
…ひおりちゃん?」
や…やばい…
今絶対顔真っ赤だ…
五条さんの顔が見れない…
「疲れちゃったかな?
そろそろ帰ろうか」
私は少し下を向きながら小さく頷いた
人気(ひとけ)のない所まで来ると
五条さんの呪力で高専まで帰った