第6章 その身体に刻まれた過去
桜華を石壁に寄りかからせて両手を掴んで押し付け、口づけ先程より性急に深く口内を舌で侵す。
陶器のような白く艶やかな首筋に手を這わせて肩にかかる着物をはだけさせてながら、耳朶を噛んだり、耳の中をわざと水音をたてて舐め回す。
桜華の身体がぴくっと跳ねて恥ずかしそうに顔を赤らめ、身を捩らせている。
堪らなく可愛らしい。
全てが愛おしい。
色香と情欲を帯びる優しい笑顔が心を揺さぶるの。
凄く綺麗で猛々しいのに美しい。
ずっと見ていたいと思うほどに。
あんなに怖くて、苦しいはずだったその行為が体の奥から疼いて欲しがる体に戸惑う。
だけど、一つ一つの行為の度にわたしのようすを伺いながらしてくれる心が堪らなく嬉しい。
全身を優しく這う固くてゴツゴツした戦う人の手。
胸も秘部も触れてないのにわたしに縋るように、甘えるように求めるから気持ちが良すぎてくらくらする。
なかなか触れてこないことに、猗窩座をみると
それがわざとだったかのようにニヤリと笑う。
「触れるぞ」
着物をずらされたままの状態で上から揉みしだかれるのと口づけの刺激も合わさって甘く体が痺れる。
「あ………」
思わず溢れた甘ったるい声を含んだ息に黄色い瞳がかち合う。
恥ずかしくて手で顔全部を覆うと、
「声も顔も隠すな。かわいい声が聞きたいし見ていたい」
と剥ぎ取られ深く口づけられる。
服の上にあった手は襦袢の下をくぐって膨らみの先を指の腹で転がしながら揉みしだく力が強くなる。
角度を変えながら長らく口づけられて酸欠になりかけた時唇が離れた。
「…っは.....猗窩座……」
「.....桜華、……桜華」
名前を呼んで呼ばれてるだけで嬉しい。
お互いがしっかりそこに存在してることが感じられる。
一緒にいることをお互いが承認し合ってるような感覚。
一つ一つ口づけが下りて膨らみの先にきて舌で転がされる、双丘の片方は指の腹で転がされながら感触を味わうように動かされる。
「んん………ぁ………ふっ……」
「いい声だ………疼く…。」
片手で紐を解かれて袴を取り払われた。
中で着物を止めてた紐も解かれて、もはや布が被ってるだけ。
ふと心配そうな表情でわたしを見た。