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鬼ヲ脱グ【鬼滅の刃】※加筆修正中

第5章 傷と罪は共に背負うモノ



黒死牟がここを去り、ちらつく雪風に当たりながら部屋に戻る。



恐怖で眠れないはずなのになぜか布団に入ると、引きずり込まれるように眠りに入る。




ぐるぐると視界は白黒写真の成す色でまわり

吸い込まれていく感覚に抗えず

どこまでも深く落ちていく。






起きていることに戸惑うも、

声も出せない

息のしかたが解らない

体の動かしかたが解らない




ただ、次第にぐるぐると回る渦はゆっくりと収まるように落ち着き


視界もゆっくりと開けてきた。




地に脚がついている感覚も

木が揺れてても風を感じる感覚も

匂いも

聴覚も

話す感覚も普通とはちがう。


意図的に制限がかけられている感覚。



自分以外が全て見せられている映像のようで落ち着かない。



ここはどこ?


わたしは何を見せられるの?




問いたいところで声の出しかたも解らない。







ただ、町並みが、現代じゃないのは確かだ。






「スリだぁ!財布を盗られた!」


「アイツだ!紅梅色の着物の餓鬼を捕まえてくれぇ!」



その声が聞こえたのと同時に目の前を物凄い速さで駆ける少年が横切った。


誰も近寄らせない

誰も信じない



それは

誰かを守りたい

助けたいという



願いの波動を伴っていた。






何でだろう。

知らない子じゃない。


知らない感覚じゃない。



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