第10章 天照手記ー魂の記憶ー
私は、
私の使命である鬼舞辻を討つことが出来なかったこと
鬼を生かし逃がしたこと
そして、兄が御館様の頸を撥ね、鬼になったことで鬼殺隊を除名された。
除名はされても、私は命がある限り
どんな形で在ろうと鬼を滅する事に力を注ぎたい
そして、兄を鬼にしてしまった贖罪を
何としても果たしたい。
どんな形でもかまわない。
私の代で叶わないのなくても誰かがいつか、それを果たしてくれるだろう。
そしてもう一つ気になっていることがある。
私を追って鬼狩りになった兄にはあの時屋敷にいた部下と家族がいた。
出陣中に戦でもない中、部下を全滅させてしまった兄はどの道、家に残っていたとして、斬首及び、継国家は取り潰しは免れなかっただろう。
それでも、少ない部下と幼子を抱えた女の力だけではこの世を生きていく術がないなか、
もう6年も経ってしまった。
奥方や子どもたちはどうしてしまったのだろうか...
私が心配する権利など無いかもしれない。
でも、どうしても気になってしまう心が抑えきれず、私は兄が置き去りにした家族を探した。
生涯の友、そして、私の剣技を後世に引き継ぐと言ってくれた竈門炭吉たち。
彼らに母の形見の太陽の耳飾りを託し別れた。
それ以後の私の記録を、将来私の遺志を継ぐ者にこの手記を託す。
ー追記ー
この手記を最愛の娘
日神楽桜華 日神楽家末裔に託す
継国 縁壱
(改)日神楽 縁壱