第8章 魂の雪蛍
そう言って立ち上がった狛治は
熱を孕んで上気した頬と潤んだ目が
色香を強く帯びた美しい獣。
じっと瞳の奥の心を見るような熱い瞳が突き刺さる。
「桜華、名を、呼んでくれ……。
俺は、絶対離さん。………桜華。」
左足は抱えられたままで、腰を左手でしっかりと密着させられると、濡れたソコに滾って腫れ上がった杭がぬらぬらと当たる。
「狛治……、狛治……。」
すがるように甘えた声をあやすように、優しい口づけがおとされる。
その瞬間、じゅぶりと音をたてて太い杭が中に突き立てられた。
「ああぁぁっ!ぁぁ…っ……」
一気に身体中が狛治に満たされる。
全身が快楽で悦び狂うように、全身に甘く強い痺れが襲った。
きっと、わたしも、目の前の雄の顔をした狛治と同じようなもの。
雌の顔をして、快楽を、求めているんだろう……
全身が熱を孕んで、甘い痺れがわたしを狂わせていく。
見つめられながら
優しい口づけ。
蕩けそう。いっそのこと彼の中に溶けてしまいたい。
滴って肌を濡らす汗が余計に色香を漂わせて
愛おしくて壊れそう。
妖艶に見下すように見てくる視線が
快楽を煽ってくる。
ゆっくりと動き出すと、与えられる快楽は、今までの比じゃない。
溢れる声が
もう、声量すら、抑えられない。
足の力が抜けて、狛治の、首に、腕を回してしがみついた。
肩に当たる息もどんどん熱もって荒れてくる。
これ以上ないと思ってたのに
どんどんまだ、この人の沼に堕ちていく
深く
深く
溺れていく……。