第8章 魂の雪蛍
身体中に甘い痺れが充満し熱を帯び、からだが無意識に次を求め出す。
その反応を感じ取ったその瞳は美しい野獣のようにギラリと鈍く強く光った。
次の瞬間、襟の重なりを優しく割られて晒しをぐっと下げられる。
首筋に口づけと胸の膨らみを熱い手が這った。
思わず溢れた甘ったるい声。
反応すればするほど、膨らみを這う手が忙しなくなる。
空いた手で器用に帯は解かれてしゅるりと衣擦れの音をたてて床に落ちた。
両肩に掛かる布も撫でるように外されると同時に口づけが首から鎖骨、胸に焦れったく愛花を咲かせ尖端を含んだ。
中の舌が蕾に触れる。すごく熱い。
「わたしだけじゃ……恥ずかしい……」
甘ったるい
すがるような上ずった自分の声が狛治を求める。
「……脱がせろ。」
と言って、片手で自分の帯を素早く取り払いはだけさせるだけにした。
恥じらいが手をぎこちなくさせる。
感じる所を舐めるのを見せつけるように熱を孕んだねだる視線が色が強くて芯が疼く。
するりと布が下がると、お揃いの痣が肩口に赤い。
あの罪人の刺青のような線だらけだったその体。
今は太陽の痣だけが、狛治の強靭で鍛えぬかれた肉体を鮮やかに彩っていた。
「ねぇ……人間になった…狛治の体、全部見せて……。」
途中なのにも関わらず、嫌な顔をせず応じた。
立ち上がった生まれたままの姿は、人間離れした強靭な肉体に鮮やかな植物にも似た炎の痣が横切る。
愛でるように、指先でその痣の輪郭を撫でて、そこに口づけた。
「新しい……狛治の、魂の証………。わたしも、同じのと、少し違ったのが出来たの……。月と太陽の二つを繋ぐ"結"。
わたしの証。
あなたとの…鍛練がなかったら…きっと見れなかった。」
それを聞くと狛治は目を見開いた。
その刹那、ぐるっと勢いよく後ろを向かされて背中を見た。
突き刺さるほどに痣に視線を感じた。
何を思っているのか掴まれている腕に狛治の指がくい込んでくる。
「あぁ……。」
返事と共に吐き出された息を肌に感じると、
突然、痣の有るところに口づけの雨。
左手は腹に回って、右手で乳房を乱暴に揉みくちゃにされる。
体はしなり、媚声と吐息が溢れた。
「……狛治?」