第1章 パラノイア。【黄瀬涼太】
,
長い髪が切られるという通り魔の事件が続いていた
「何か怖いね。私短くてヨカッたよー。髪切られた子達、皆ショックで学校来てないみたいだね」
友達がそう言ってた
皆学校に来てないんだ
そうだよね
髪が短くなったら涼太に嫌われちゃう
髪が短くなって涼太に嫌われるくらいなら死んだ方がマシ
事件にあった子達はもう、涼太に嫌われちゃったんじゃないかな
でもまだ生きてるって事は、私より涼太への愛情が少ないってことだよね
やっぱり涼太の事を一番に想ってあげられるのは私しかいない
そう思うと私の心は安心した
いつもより晴れやかな
いつもより清々しい
涼太、前よりももっと愛してる