第3章 窓の向こう。【奈良シカマル】
それから数年―――・・・
俺たちはアカデミーを卒業して、任務に出るようになった
チョージは卒業しても相変わらずあの女の事を気にしてるようだった
任務に出るようになった分、あの道を通る数は減った
チョージといつもあの窓を見ていたせいで、俺もあの通りを通るとつい見ちまう癖がついちまった
現に今も・・・・
俺は一人、この通りを歩きながら窓を見上げた
『さすがに夜は居ねぇだろ・・・』
そう呟きながら見上げた窓にはいつもの女が居た
『・・・・・・・・』
女の目からは涙がつたった
何でかその顔から目を逸らすことができねぇ
夜の月に照らされた横顔
そこから流れ落ちた涙
あの女はチョージが惚れてる女だ
なのに俺は・・・・
あの女を見てキレイだと思っちまった
俺は面倒事が嫌いだ
簡単に女を好きにならねーし、別に必要無いと思ってる
だから俺は、あの女に惚れたりしねぇ
-END-