第3章 櫻×大 1
-櫻井side-
楽屋から飛び出した俺は
近くに居たスタッフ達に智くんを
見ていないかしらみつぶしに聞いて回った
スタッフ「あ、そういえばさっきプロデューサーと歩いていくの見ましたよ」
「プロデューサーと? それいつ? どこ行ったかわかる?」
ようやっと得れた情報に
捲し立てて質問を繰り返す
スタッフ「えっと...確か.....奥の楽屋の方に......」
「了解!まじでありがとう!!」
あっち側の楽屋って....
今はほぼ使われてない部屋がほとんどで
物置きと化しているような所も多くあったはず...
さっきのスタッフくんの言っていたことが
本当ならここらへんのはずだと思うんだけど...
辺りの部屋を見回しても、
もちろんそこに人の気配はほとんどなかった...
?「......がぅっ!!」
....ここ..か....?
ある一室を通り過ぎようとした時、
智くんの声が小さく聞こえたような気がした
スモークがかった縦長の窓から覗いてみても
中が暗いという事しかわからない...
..だけど..微かに人の気配がする..?
入って違う人なら謝ればいい..
意を決してドアを思い切り開けるとそこには....
「智くんっ!」
手首を拘束され、シャツも下着も脱がされた智くんと
自身の性器を取り出して握っている男の姿があった
「こんなとこで、何してんだよ」
自分のものとは思えないほどの低い声が
俺の口を衝いてでた
男「き、君こそなんなんだっ..ノックも無しに...」
しどろもどろに答える男に延々イラつきが増す
よく見てみるとその男は昔お世話になったプロデューサーの一人だった...
今の俺にはそんな事毛頭関係なくて...
気づいた時にはそいつの胸ぐらを掴んで壁に押し付けていた
「お前がやってきた事は完全に犯罪だストーカー行為に強制わいせつ...とっとと出てけよ」
気を抜けばすぐにでも男を殴り倒してしまいそうな
衝動を必死に堪えて言葉をぶつける
そうするとぶるぶると震えながらそいつは楽屋を出て行った