第1章 unlucky men
俺はすっかり嬉しくなって、中身を見るのは帰宅してからのお楽しみにしよう、と紙袋を足元のカゴに入れた。
「松潤、ありがとう」
改めてお礼を言うと、悪戯っ子のような目で、彼が言った。
「実はまだあるから。後で、翔くんの家に、大量に届くからね!」
「まだ?そんなに貰ってもいいの?」
さっきの紙袋の重さからてっきり、これで終わりかと思っていたけれど、まさかまだくれる予定だとは。驚いて、思わず訊き返した。
「当たり前でしょ!」
松潤のことだから、きっと、大量に送ってくれることだろう。
しかも恐らく食料品。
一週間の食事には困らないはず。毎日の食卓が松潤からもらったもので満たされることを考えると、つい笑みが零れた。
「じゃあ次は、俺かな?」
声の主は、相葉君。
正直なところ、彼のくれるものはなんとなく……予測がついている。
それなりに厚みのある紙包みを差し出した彼は、にこにこと満面の笑顔のまま、とんでもないことを言った。