第1章 unlucky men
ズバッと謝る相葉君に、大野さんはニコニコと頭を軽く下げる。
「良いよ良いよ、というか謝らなくていいって」
「そういえば前何かで、一番謝る回数が多くて、謝罪に心が入ってないとか言われてませんでした?」
「ちょっ、ニノ、それはひどいよ!」
「……でも、あながち間違ってないかもね」
「松潤まで!ひどいなぁ、でも、翔ちゃんはそんなこと言わないもんね?」
「へっ?」
しまった、頭が回っていなかった。
突然振られた話題に、目を瞬かせた。
一応会話は流し聞きしていたが、内容は正しく把握しているとは言い難い。
何と言っていいか動揺するも、ろくな答えは出てこない。
相葉君の無邪気な目が疑いに変わる前に、何とか言わなければ。
しかし、正直なところ何を聞かれているのかあまり理解できていない。
「あー……」
間抜けな声を出して必死に時間を稼ぐ。
頭をフル回転させる。
絶体絶命、だ。