第1章 unlucky men
仕事終わり、実は俺たちは、とあるレストランを予約していた。ちょっと高い焼肉屋さん。
お察しの通り、俺の誕生日のお祝いだ。
何となく素直に楽しむことも出来ず、微妙な感じで、――と言っても一応楽しそうにはしていたが——店に乗り込んだ。
席順は、向こう側の奥から相葉君、ニノ。こちら側は、大野さん、俺、松潤。
要するに、ニノは正面という、なんとも気を使いにくい席になってしまったのだ。
若干の居心地の悪さを抱きながら、取り敢えず思い思いの好きなものとビールを頼む。勿論、肉盛り合わせセットが届くまでは、雑談タイムだ。
どんなにくだらないことだって話が盛り上がる。四六時中一緒にいるはずなのに、何故か会話のネタは尽きることが無い。それはきっと、俺たちの相性がいい、ということなのだろう。……
「今日の弁当、何かめちゃめちゃ美味しくなかった?」
ご飯屋さんでもご飯の話をする相葉君。相変わらずだが、大野さんが相槌を打つ。
「確かに。唐揚げ、美味しかったよね~」
「唐揚げ美味しかったけどさ、俺、卵焼きの方が好きだったな」
「え、卵焼きってカロリー高くない?」
「相葉さん、Jの弁当は特注ですから」
「卵焼きって、カロリー落とせるの?」
「さあ……そのあたりは私には分かりませんね。相葉シェフが分からなければ分からないでしょうけれど」
「ごめんリーダー、オレも分かんない!」