第7章 激裏■捕食者はどっち?■狼77号と兎66号
「あー……クソ…無計画にも程があったか…」
『……何が?』
ギシッギシッと脆いベッドを軋ませてゾンビマンは愚痴を零していた。その頭を、大きな耳ごと撫でてやればちょっと気持ちよさそうに私の手に擦り寄る。オス兎がメス狼に甘える、ありえない行動。
いや、そもそもオス兎がメス狼と交尾するのが一番ありえないんだけれど毎日のようにまぐわっている。
……なんかの計画を達成出来なかったようだな。そんなの知ったことじゃないけれど。
気持ちよくなったのでぶるりと体を震わせて侵入しているゾンビマンの体の一部を締め付けるといつものように兎の遺伝子が私の中にたくさん放たれる。
そして彼はまたため息を吐いて、ピストンを始めるのだ。無尽蔵に精子を作り出す性質をも持っているので、こいつはきっと私の子宮いっぱいに満たしても中に出し続けるんだろうなぁ。
「77号…との事だよ、キャンキャンピーピーガキ産みすぎだ」
『じゃあこの交尾を辞めれば良いのでは…?』
「いや、もふもふした子うさぎ共も、狼達も可愛いから良いけどよ……ったく、今中に出したのも孕むんだろ?俺の子種、きっちり受け止めてよお………めちゃくちゃ嬉しいけれども隠れ家が子孫で賑やかで機能しねえじゃねえか」
互いに向かい合っての前後の運動で番が繁殖行為をしている。
そろそろ目の開かない小さな子うさぎ3羽と2匹の子狼の乳の時間だ。
庭のちょっと大きくなった子うさぎ達は草を食べているだろうか?子狼はじゃれ合ってるかも知れない。その子らも、まだまだ甘えたがりで歯が生えてきても乳が恋しいらしく尻尾を振って胸にぴょーんと飛び込んでくる事もしばしばだ。
……だというのに、親である大人の兎がちゅうちゅうと独り占めして乳を飲んでいる光景。
多頭産んでいるのにも関わらず、私にある乳房は2つ。それを豪快に飲んでいる。右を吸って、左を吸って。吸わない方は手で揉んで。
栄養補給というよりも交尾の楽しみのようだ、この年中発情期のオス兎は。
「すげえ乳出るなあ……、ちょっと咥えるだけで母乳出るんだぜ?やべえよ…えろくてまた勃起してきた、また種付け頑張るか」
……こいつに授乳はとても無駄な行為な気がする。