第99章 結ばれてはいけない2人1
貴方side
目暮「しかし、その推理だと変装に使った服などがトイレから見つかるはずだが?」
安室「切り刻んでトイレに流したんでしょうね。ニット帽ならもちろん、薄いナイロン製のウィンドブレイカーなら細かく刻めますからね」
貴「…では、靴はどうしたんですか?」
安室「…靴なんて履き替える必要はありませんよ。歩き続けて止まらなければ、どんな靴かなんて判別できませんし…幸い、彼の靴はどこにでと売ってそうなスニーカーですし…」
小五郎「じゃあ伴場、脱いで見せてやれ。お前のスニーカの裏側を。それはお前が犯人じゃないという証拠だ」
小五郎さんに導かれるまま、伴場さんはスニーカーの裏側を見せた
そこには、初音さんが出かける前に彼が踏んでしまった生クリームが付いている。外に出ればそんなものは取れるため、犯行は不可能
安室「で、でもDNAは?彼女の付け爪の先に彼のDNAとほぼ一致したものが付いていたんですよ?!彼がそのとき、彼女のそばにいた証拠じゃないですか!!」
小五郎「付け爪に付いていた皮膚が、彼女本人のものだったっていうのは考えねぇのかよ?」
安室「なに言ってんですか!さっきも言いましたが、血縁者でないかぎりDNAのほぼ一致はあり得ません。現在、同じ型のDNAが現れる確率は、4兆7千億人に一人とされていますし、女性には男性だけが持っているY染色体が無いからすぐに分かりますよ」
小五郎「問題のその皮膚が雨や泥で汚染され、性別のところが不明だからほぼ一致になってるかもしれねぇだろ」
安室「だ、だとしても!その2人が偶然出会い、たまたま恋に落ちて結婚しようとしたって言うんですか?!」
貴「……出会ったのは偶然かもしれませんが、惹かれあったのは必然だったと思う。……2人は双子だったと思うから…ね、小五郎さん」
小五郎「ああ」
全「?!」
目暮「ふ、双子?!」
私達が口にした衝撃の事実に、一瞬にして場は静まり返った
違和感を感じた私とコナン…2人は、誕生日も血液型も一緒。黙っていてもお互いの考えることが分かることがある。おまけに、同じホテル火災に遭って身元不明のまま教会で育てられた