第1章 chapter1
「うわー!」
教室につくなり橘が大声で叫んだ
「どうしたの?」
「あ、ごめん。国見おはよ。やっちゃったよー!こないだワンピースの新刊買ったのに昨日の夜読もうと思ったらなくってさ!もう一冊買ったら‥引き出しの奥に入ってたってゆー」
「橘漫画読むんだ」
「え、そこ?読むよ!結構少年漫画が好きでね、国見は?」
「俺も読むよ、てかワンピースの新刊まだ買ってないから、それ、買ってやるよ」
買ってないのはうそだけど
「え、いいの?いや、お金はいらないよ!良かったら貰って」
あの日恋に落ちた瞬間と同じように隣の席から漫画を渡された
「それじゃ意味ないじゃん」
「あ、じゃあ今度国見のオススメの漫画かしてよ!本でもいいよ!私人のオススメの本読むの好きなんだ」
「そう、なの?」
「なんかその人の思考をさ、直接読み取ってる気がするんだよね。へーこの人こんな感じの本が好きなんだ〜こんな考えなんだ〜って」
ゾクっ
さらっと恐ろしいことを言われた気がした
あなたはどんな人なの?さあ私に全て見せて…
そう言われた気がした。