第6章 chapter6
合宿で初めて見た君
凛とした真の強さと屈託のない笑顔
保健室での寝顔
そして真っ赤になって俯いたあの顔
僕のこと気にしているんだろうか
そのわりに何の連絡もなくって
僕は僕でこの気持ちが何なのか確かめるため
とか言いながら、もっともらしい理由をつけて呼び出した
その時にはもう
恋に落ちていたのだろう
私服の彼女を見た瞬間 デートみたいだと思った
美しいノートを見て やっぱり素敵だと思った
そして他の男の話をするのを聞いて イラッとした
自分のこの気持ちが何なのか確かめるなんて
確かめるまでもなく
ひとつひとつ彼女のことが好きなんだと思い知らされるだけだった
それから約1週間、特に連絡はなかった
いつものように部活が終わり、帰路に着く
少し歩いたところでポケットで携帯が震える
この長さは電話?
そう思ってポケットから携帯を取り出す
ディスプレイには
橘さん