第4章 chapter4
「やめてくださいっ」
首を左右に振り、やっとの思いで逃れた
頭が蕩けそう 足がガクガクする
「どうしてこんなこと…」
目に涙を溜めて先輩を睨みつける
「へー、落ちないんだね。ますますいいね。どうしてって一方的な愛情っていつもこんなもんじゃない?相手の気持ちなんて考えない。僕はキスしたいからしたけど、君はアイツを追いかけて合宿に乗り込んだ。どう違うの?」
頭がグチャグチャになる この人何言ってるの?
再び先輩が近づき耳元で
「じゃあね、変態ストーカーの歩ちゃん」
そう囁いて去っていった。
私がやっていることは及川先輩と一緒?
相手の気持ちを考えない身勝手な片想い
昨日の楽しかった思い出が一気に崩れ去った
そしてこの日の出来事を誰かに見られてるなんて
思いもしなかった