第1章 chapter1
夏の暑い日 プールの後、女子がまだ戻ってこない教室でクラスの男子たちは下世話な話題で盛り上がっている
「いやー、長谷川のあの水着見た?やばくない?」
「思った!勃つかと…いや勃ってたね」
「あーでも彼氏持ちか!年上だろ!やりまくってんだろなー!ずりーな!他は?」
「安西もよくね?あいつ彼氏募集中だって!ノリいいしな」
…はぁ
心底どうでもいい 低レベル なんて心で毒づいてたのに
「なぁ 国見は?」
急にこっちに飛び火した
「…橘」
クラス中の男子が俺に注目する
一瞬の静寂の後 どっとクラスが沸いた
「いやー!意外!そうか国見は橘みたいのがいいのかー」
「確かに顔で言えば一番美人だけどな なんかちょっと隙がなさすぎるというか」
「分かるわー!もうちょっと簡単にいけそうってか遊べそうな感じが」
「それに国見はタッパあるからいいけど、ちょっと背が高すぎて、俺らには」
「お前らなんか相手にされてないってアハハ」
分かってないなガキどもが
橘の魅力的なんて
俺だけが分かっていれば充分なんだよ-