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aslan

第10章 夢のあと









リンが暁辰会のボスとなってから
10年の月日が流れた


辰彦の遺言とはいえ
まだほんの少女に過ぎなかったリンがマフィアの二代目に就任した直後
裏の世界は混乱に陥った

暁辰会のポジションにとって代わろうと
様々な組織が陰で抗争を企てた


けれど
内部抗争と言われた一連の事件を経て
亮二を始めとする暁辰会の幹部達はより強く団結した


彼らは
皆の為にボスの座を引き受け
その結果一番大切な人を失い
自身までも2度殺されかけたリンの事を
その後全力で守った


始めは少なからず
彼女への同情の気持ちもあったのかも知れない


暁辰会への忠誠心がここまでのものになったのには
他にも理由があった


力と金と男気で暁辰会のボスとなった辰彦とはまた違い
リンには
類稀なる知能と人を惹きつけるカリスマ性があった

彼女は父親とは全く別のやり方で
暁辰会を更に大きくしていった

実力で結果を出していくうちに
周りの者達は次第に彼女を本当の意味でのボスだと認めるようになっていったのだった


一枚岩となった暁辰会につけ入る隙はなく
10年経った今では
暁辰会はアジアでもトップクラスの地位に君臨するまでになっていた












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