第5章 party
何も言葉を交わさないまま
エレベーターは1階に着いた
「…車を回してくるから……ロビーで待ってろ…」
その声を無視して駐車場へと向かったリンは
足早に車に近づき
助手席のドアの前に立った
セツナが慌てて鍵を開けると
直ぐに車に乗り込む
運転席に座ったセツナがドアを閉め
車内が静寂に包まれると
リンはホッとため息を漏らした
「…疲れたか?」
『……ううん……ただチョット…ムカムカしただけ…』
「……」
リンは俯いたまま
小さな声で呟いた
『………………パーティーなんて大嫌い…』
「………オマエの立場上……こういう場に呼ばれる事は…今後増えてくる…………少しずつ…慣れていかないとな…」
『…………あーーーお腹空いた!セツナ!帰りに何か美味しいもの食べてこ!』
「……………いいね……」
セツナは優しく笑うと
車のエンジンを掛けた