第5章 party
辰彦は笑顔で門倉と抱き合い
帰国を喜ぶ言葉を送った
「…いやァ……それにしても…リンをひと目見た時は驚いたよ…母親に似て美しい娘に育ったじゃないか…」
「…ありがとう……オマエにそう言ってもらえると嬉しいよ…」
「…彼女があんな若さで亡くなってしまうなんて……本当に残念だ…」
「…あぁ…」
しんみりとする辰彦の後ろで
魅音が咳払いをした
「……ぁ…紹介するよ……今の妻…魅音と…息子のレイだ…」
「…初めまして門倉さん……お噂はかねがね伺っておりますわ…」
「…あぁ……では…あなたが……リンをあんな素晴らしい娘に育てたんですな…」
「…え?」
「…彼女は誰に会わせても恥ずかしくない……紹介した人達も皆…口を揃えて褒めていましたよ……さぞご自慢でしょうな…」
手放しでリンを褒めちぎる門倉に
魅音はみるみる不機嫌になった
「……まぁ……お褒め頂き恐縮ですわ……でも…お世辞はほどほどにしてくださいませ………世間知らずの子供をあまり勘違いさせてしまっても…後々…本人が恥ずかしい思いをするだけですから…」
「……ぇ……あ……ハハハ…」
気まずい空気を察知したリンは
用事があるのでこれで失礼しなくてはならないと
門倉に告げた
門倉はとても残念そうにしていたが
ぜひ自宅の方へも遊びに来てくれと言って
笑顔で送り出してくれた