第5章 party
パーティー会場に入ると
主催者の門倉が両腕を広げてリンを迎えた
「…リンか?……おぉ…こんなに大きくなって…」
『おかえりなさい門倉のおじ様!今日はお招きありがとうございます!』
「…私の方こそ…来てくれてありがとう……辰彦は?一緒じゃないのか?」
質問を受けて
セツナはボスが遅れることを告げ
到着までの付き添いのため関係の無い自分がこの場にいる非礼を詫びた
「……そうだったのか……私はてっきりリンが恋人を紹介してくれるのかと思ったよ…」
「…私のような者が…めっそうもありません…」
否定するセツナの隣で
リンは嬉しそうに頬を染めた
門倉はリンを連れ
会場のゲスト達に紹介して回った
初めて会う大人達に囲まれ
当たり障りのない会話をしていたリンが
キョロキョロと会場を探すと
少し離れた壁際で見守っていたセツナは
安心させるように頷いた
その時
会場に"暁 辰彦"が入ってきた