第5章 party
あの夜を境に
リンは変わった
黙って夜中まで帰らないことも
家出をすることも無くなり
セツナの前でよく笑うようになった
そんな時
海外で暮らしている辰彦の古い友人が数年ぶりに帰国し
ホテルの宴会場でパーティーを開催した
「…リン…遅れるぞ…」
『…今行く〜』
玄関で待つセツナの元に
肩を出した濃いブルーの膝丈ドレスを身に付けたリンが
パタパタと走って来る
「………」
『…どお?セツナ…髪の毛もカールしたんだ♪』
「……ウン……よく似合ってる…………とってもかわいいよ…」
『……かわいい…って………もぉ…』
「……?……どうした…リン…」
『別に!』
褒めた途端に不機嫌になってしまったリンの情緒が全く理解できず
セツナは首を傾げた
ホテルに着くと
エレベーターの側に亮二の姿があった
「……リン…今日は一段と綺麗だなぁ……すっかり大人の女じゃないか…」
『…エヘヘ…ありがと亮二さん♪』
リンは照れ臭そうに礼を言うと
面食らっているセツナに
ベーッと舌を出した
「……セツナ…ボス達の到着が遅れてる……失礼の無いようにリンだけでも先に入っていてくれとの伝言だ……エスコートはオマエに任せた…」
「…分かりました…」