第4章 stray cat
数時間後
怪我の手当てを終えたセツナが亮二の事務所のドアを開けると
ソファには
同じく呼び出された亮二の息子・沢村アランが座っていた
長く待たせた事を詫びたセツナがソファに座ると
亮二もアランの隣に腰を下ろした
アランは
かき集めた情報から導き出したことの一部始終を
2人の前で話した
・
・
・
マンションを飛び出したリンは
たまり場へ向かおうとしていたようだった
行く途中
一台の車のクラクションが鳴り
中の男に呼び止められた
車を降りた男は
「オマエを知っている…暁の娘だろう」と言った
リンが認めると
男は更に続けた
「オマエの親父の時代は終わった……尻尾を巻いて引退するなら今のうちだと…親父に伝えておけ」
それを聞いたリンは
男に掴みかかり平手で顔を殴った
側に居た男達は
リンを捕まえ
地面にねじ伏せた
両腕を押さえ込まれたリンの額に
顔を殴られた男"チャン・リュウイ"が
取り出した拳銃を向ける
すると
リンは自分から銃口に頭を押し付けた
驚いた様子のチャンが「怖くないのか?」と聞くと
リンは
チャンの目を真っ直ぐに睨んだまま答えた
『……私は"暁 辰彦"の娘……いつだって覚悟は出来てる…』
リンのその言葉を聞いた途端
目付きが変わったチャンは
男達に指示し
リンを車で拉致した
・
・
・
「……あのライブハウスに運ばれた後のことは……セツナの方が…よく知ってるよね…」
報告を終えたアランは
事務所を出て行った