第5章 笑顔の裏側
その夜
am 3:00
響也は疲れた様子でマンションに帰って来た
熱いシャワーを浴び
部屋着に着替えると
リビングのソファでノートパソコンを開いた
仕事関係のデータを入力し終え
時計を見るとam 4:30を過ぎていた
響也はパソコンを閉じると
目頭を押さえながら寝室へ向かった
ベッドの上では
ナナが静かな寝息を立てていた
響也は隣に潜り込むと
ナナの寝顔を見つめた
ナナの側に肘をついて
顔を近づけていく
唇が触れ合う寸前
響也は動きを止めた
「………ハァ…」
響也は小さくため息をつくと
ナナの身体を包むように抱き締め
額に軽くキスした
『………ん…………響也……?……おかえりなさい……』
「……ただいま…ナナ………オヤスミ…」
『………ウン……………オヤスミ……』
ナナは柔らかく微笑むと
再び目を閉じた
響也はナナの呼吸の音を聞きながら
眠りに落ちていった
響也の寝息が聞こえ始めると
ナナは目を開けた
そして
身体を捩るように
響也に背中を向けた
『……』