第5章 笑顔の裏側
「…雅…?」
「………俺……正直言ってアイツのコト狙ってます………ケイさん…付き合ってる訳じゃないらしーし……いいっスよね?」
「………あぁ……ナナがオマエを選ぶなら…俺は何にも言わねーよ………オマエといる時…アイツ楽しそうだし…」
雅は顔を上げて響也の方を向いた
「…ケイさん……ナナがホントに笑ってるって思ってます?」
「…………思ってねーよ………でも…それにはまだ時間が必要だろ…」
「……」
「……雅……これからもアイツの事頼むな…」
肩を叩こうとする響也の手を
雅は振り払った
「……余裕っスね…」
「………ま………アイツは…オマエを選ばないからな…」
2人は目を見合わせると
軽く微笑った
「……フッ……分かってますよそんな事。………でも俺……いつまでも負けてるつもりありませんから…」
雅は挑戦的な瞳で響也を見ると
次の瞬間
いつもの笑顔に戻った
「…じゃ…俺帰ります…」
「……あぁ……ありがとな…」
響也の目の前で
ドアがバタンと閉まった