第5章 笑顔の裏側
ある日
マンションのベッドで目を覚ました響也がリビングへ行くと
雅がキッチンを片付けていた
「…あ、ケイさん♪おはよーございます」
「…んー…」
「ちょうど朝メシ出来上がりましたよ…コーヒーも入ってます」
「…サンキュ…」
響也が朝食を食べている間に
雅は他の部屋の掃除機がけをした
そして
全ての掃除を終えた雅が
玄関で帰り支度をしている時
響也は声を掛けた
「雅…最近ナナの所によく顔出してやってるんだってな……ありがとな…」
雅は手を止め
響也に背中を向けたまま言った
「…別に……好きでやってるんで…礼言われる事でも無いっスよ。………てか…ケイさん……アイツの保護者か何かなんスか…?」
どこか棘のある雅の言い方に
響也は軽く眉をひそめた