第5章 笑顔の裏側
ナナが身支度を終えると
隆司に挨拶をして2人は外へ出た
「…さーて…ドコ行くか……ナナ…何か食べたい物ある?」
『…私…" FELLOWS " のチーズバーガーが食べたいな♪』
「…ぉ……ガッツリ系っすか?」
『ウン…もーお腹ペコペコ』
「いいね♪そーしよ」
そして2人は
歩いて " FELLOWS " に向かった
バーガーとドリンクを注文し
テーブル席に着く
他愛のない話をしていると
いい匂いが近づいてきた
大きなチーズバーガーにかぶりつくナナの幸せそうな顔を見て
雅はそっと微笑んだ
食事が終わり
店の外に出たナナは
心から満足したように言った
『あー…美味しかったー』
「…腹くるしー……けど…美味かったな…」
『…結局雅に奢ってもらっちゃって…なんかゴメンね…』
「いーんだよ…俺が誘ったんだし」
『…どうもありがとう…ご馳走さまでした』
「…ウン…」
マンションまでの道のりを並んで歩きながら
2人は今度はランチを一緒に食べに行こうと約束した
そして
マンションの下までナナを送ると
雅は「じゃーまたな」と言って笑顔で帰って行った
それから
ナナと雅の距離は更に縮まっていった
雅の仕事の都合上
夜に一緒に出掛ける事は中々難しかったけれど
出勤前に雅が " ROTTY " に顔を出したり
ナナの休憩時間に合わせてランチに出掛けたりした
年の近い2人は
側から見ると
まるで仲の良い親友同士のようだった