第1章 クリスマスの夜
15分程経った頃
寝室のドアが開いた
シャワーを浴びて戻って来た男は
そのままベッドに近づき
背中を向けて横になっている女の隣に潜り込んだ
しばらくの間
天井を見つめたままでいた男が
口を開いた
「……名前…何て言うの…」
『……ナナ……』
「………ナナ………俺は…響也………よろしくな…」
響也はそう言って
ナナの方に身体を向けると
背中から抱きしめた
ナナは
警戒するように身体を強張らせる
「……フッ…………ナナ………オヤスミ…」
数分後
静かな寝息が聞こえてくると
ナナは身体の力を抜いた
そして
ナナも
深い眠りに落ちていった