第1章 クリスマスの夜
男は部屋に着くと
女を抱えたままバスルームへ運んだ
「……シャワー…浴びて…」
適当な着替えとバスタオルを渡して
男はバスルームのドアを閉めた
熱いシャワーが
女の冷え切った身体を温めた
女がバスルームを出ると
男の気配が無かった
女は
廊下に面したドアを
ひとつずつ開けていく
ひとつ目はトイレ
その次のドアは服や荷物が置かれていた
3つ目のドアを開けると
明かりがついていた
そこは寝室だった
大きなサイズのベッドに
男は倒れ込んでいた
『……』
女は目を閉じている男の隣に
静かに腰を下ろした
「………ん……………ぁ…………早かったな…」
『……』
男は気怠そうに身体を起こした
「……先……寝てて…」
そう言って電気を消すと
男はバスルームへ向かった