第4章 朝日
雅の人懐っこい明るい性格に
ナナはすぐに打ち解けた
雅はナナに掃除機がけを頼むと
自分は水回りの掃除を始めた
雅はとても手際が良く
ナナが掃除機をかけ終えた頃には
他の全ての掃除を済ませていた
『…すごい…こんなにキレイにしてくれてありがとう』
「ナナが手伝ってくれて助かったよ♪コッチこそありがとな」
雅は「じゃーまたな」と言って帰って行った
ドアが閉まると
周りはとたんに静寂に包まれた
ナナはトボトボとリビングへ向かった
時計を見ると
pm 1:00 を少し過ぎていた
『……』
ナナはソファに腰を下ろすと
小さく丸まるように
膝を抱えた
真夜中
帰宅した響也が寝室のドアを開けると
整えられたシーツの上で
身体を丸めて眠っているナナの姿があった
響也はベッドに近づくと
側に腰掛けた
響也のまくらを抱きしめるようにして
静かな寝息をたてているナナの寝顔は
昨日より
少しだけ安らかに見えて
響也はホッと息をついた