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GIFT 【R18】

第3章 悪夢




腰まで届きそうなナナの長く美しい髪を
響也は丁寧にカットしていった



「……終わったよ…」


バスルームの床にへたり込んだままでいたナナが顔を上げると
哀しそうな響也の瞳があった


ナナは指を伸ばし
響也の頬についた涙の筋に触れた


『……響也………どうして…泣いてるの…』

「……」

『………どうして……そんなに優しくしてくれるの…?………私なんかの為に…どうして…』

「…そんな言い方すんな!」

『……』

「……俺……オマエのこと大切に思ってる………まだ会ったばっかなのに……何でかなんて分かんねーよ!………でも…そうなんだ…」

『……』

「…だから……これからはナナも……もっと自分のこと大切にしてくれ…」

『……』


響也は
ナナの冷え切った手を取った


「……ナナ……早くシャワー浴びた方がいい…」


響也がバルブを開けシャワーから湯を出すと
温かい湯気がバスルームに広がった


出て行こうとする響也の腕を
ナナが掴んだ


「……?…」

『……………行かないで…』



ナナは俯いたままきつく目を閉じ
深呼吸すると

ゆっくりと目を開け
胸元のボタンに指を掛けた


「……」


シャツのボタンを外しながら
ナナは静かな声で言った


『………響也…………私の…身体……見て…』


ナナが背中を向けると
バスルームの床にシャツが落ちた


ナナの背中は
無数のアザや火傷の痕だらけで
目を背けたくなる程だった


「……」


言葉を失った響也の方へ
ナナは身体を向けた


脇腹や胸にも
たくさんのアザが見られた
そして
左胸の上には
弄ぶように何度も
刃物で切り付けられた痕まであった







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